右肩下がりで減少を続けている東京湾・相模湾のカワハギについて、その原因と個体数増加の可能性を検証します。
カワハギ減少の原因を考察する
カワハギは何故、減少しているのでしょうか。
簡単に原因が分かれば苦労はしないのですが、ネット検索や人から聞いた情報を集約すると、下記2つが大きな原因となっていることは間違いなさそうです。
磯焼け
(ウィキペディアより引用)
城ヶ島沖ではガンガゼとアイゴによる食害のために磯焼けが発生。
2014年頃より、ガンガゼとアイゴの除去を実施しているそうです。
アイゴは冬になると水温低下で食欲も低下するそうですが、温暖化による海水温上昇の影響から食欲が落ちなくなり、カジメを食べ尽くしているそうです。
こうした藻場の減少が、カワハギの棲家と餌場を奪ってしまっているのではないか、という推測です。
巨大台風の襲来
近年、巨大台風の発生頻度が明らかに上昇しています。
昨年発生した台風24号の後、相模湾・東京湾の沿岸にカワハギの稚魚が大量に打ち上げられていたという話は非常に有名です。
これを証明するように、昨年はワッペンサイズのカワハギが全然釣れず、そのままシーズンを終了してしまったのです。
巨大台風も温暖化の影響が大きいといわれています。
そして、海水温の上昇によりカワハギが深場に落ちる時期が年々遅くなっています。沿岸に留まっていることで、台風の被害に遭いやすくなってしまっているのではないでしょうか。
カワハギは今後増えるのか
それでは、カワハギはこのまま絶滅してしまうのでしょうか。
放流
公益財団法人神奈川県栽培漁業協会では、定期的にカワハギの稚魚を放流しているようです。
(私も賛助会員です)
また、カワハギ釣り師有志による放流資金の募金箱が、山下丸ややまてん丸には常設されています。
活動に賛同される方は、募金してみてはいかがでしょうか。
環境整備
環境整備なくして、カワハギの個体数復活は難しいのかもしれません。
空いたバケツに水を注ぎ続けるよりも、バケツの穴を塞いだ方が効率的なのは間違いないのですが、険しい道のりと言わざるを得ません。
地球規模の地球温暖化と海水温上昇を止めるのは、かなりの長期スパンで世界中の人々が真剣に取り組まなければ難しいでしょう。
一方、磯焼け対策については、前述したアイゴやガンガゼの除去以外に、「製鉄スラグ」と呼ばれる鉄(見た目は石)による藻場回復の活動が、日本中に広まっているようです。
(ウィキペディアより引用)
調べれば調べる程、置かれている状況は厳しいですが、いつまでもカワハギ釣りを楽しみたいものです。