某○○漁港の船宿でアジを仕立てた際に
「格好つけて聞きアワセする人いるけど、アジでそんなことしても意味ないから」
と、船長からかなり高圧的なレクチャーを受けたことがあるのですが、果たして、ライトアジに「アワセ」は本当に必要ないのでしょうか。

ライトアジの「聞きアワセ」は必要!
いきなり結論ですが、ライトアジにアワセは必要!です。
特に、アジの上顎に針掛かりさせることを意識する場合は「必須」とも言えます。

そもそも「アワセ」とは何か
釣りの「アワセ」とは、魚の口に針を掛けるための行為で、「アワセ」にもいくつか種類があります。
電撃アワセ(早アワセ)
小さなアタリを感じた瞬間に電撃的に掛けていくアワセのことを「電撃アワセ」「早アワセ」と呼びます。
電撃的にアワセるのでバレも多いですが、冬のシロギス釣りなど、極小のアタリしか出してくれない時期には有効となるアワセ方です。
シャープなアワセが決まった時の「釣った感」は、電撃アワセならではですね。
向こうアワセ
「向こう = 魚」から勝手に掛かってフッキングしてくれることを「向こうアワセ」と呼びます。
魚から勝手に掛かってくれるのを待つだけなので、あとは竿を立てて巻けばいいだけです。
冒頭の某船宿の船長が言いたかったのは、ライトアジはこの”向こうアワセ”で釣るものだという考えによるものです。
ですが、ライトアジの向こうアワセはバレが多発します。
聞きアワセ
アタリを感じた時に、ゆっくりと(魚がいることを)聞くようにアワセることを「聞きアワセ」と呼びます。
私の場合、ライトアジではこの”聞きアワセ”を必ず入れるようにしています。
冒頭の船長が否定する釣り方ですね。

何故、聞きアワセを入れるかは後述します。

聞きアワセを入れる筆者
巻きアワセ
竿を使わずに、リールを高速巻きすることで針掛かりさせる方法を「巻きアワセ」と呼びます。
電撃アワセ・聞きアワセを入れたあとに、巻きアワセを追加させることでガッチリと針掛かりさせる方法もあります。
「向こうアワセ」のデメリット
確かに、この某船長の言うように向こうアワセでもアジはそれなりに釣れます。
しかしながら、向こうアワセでは針をフッキングする角度も魚任せです。
活性が高くて針を飲み込んでくれるようなアジばかりであれば心配いりませんが、アジの口周りは非常に脆く、上顎以外の箇所に掛かると容易に外れたり、口切れしたりします。
このため、向こうアワセではバラシが多発してしまうのです。
特に、取り込み時のバラシが多いという場合は、上顎にフッキング出来ていないと考えることが自然です。
では、どうすればいいのか。
「聞きアワセ」を取り入れましょう。
聞きアワセしてアジの上顎にフッキングさせるメソッド
聞きアワセするといっても、出たアタリを全て聞きアワセすればいいというわけではありません。
特定のアタリ方を出して、そのアタリに対して聞きアワセを入れることで、上顎に針掛かりさせることができるのです。
モタレアタリは聞き上げて針掛かりさせる
一般的な向こうアワセのライトアジ釣りでは、竿先を激しく叩くようなアタリを感じてから巻き上げますが、このような針に掛かった後のアタリに聞き合わせを入れても、さほど意味はありません。
聞きアワセを入れるのは、その前段階に出る、アジが付けエサをくわえた時のアタリ「モタレアタリ」を感じた時です。
「モタレアタリ = アジがエサをくわえた状態」の時に聞きアワセを入れると、アジが反転するため上顎に高確率でフッキングさせることが出来るのです。


「モタレアタリ」を取ることがアジ爆釣のポイント!
「モタレアタリ」を出すテクニック
モタレアタリを出すためには、下記2点を意識することが重要です。
①竿先をしっかりと注視すること
②海中の仕掛けを程良く張らせること
活性の低い時ほど、竿先を僅かに抑え込む程度のモタレしか出ません。
この僅かな変化を察知するためには、竿先の変化を集中して見つめることが必要です。
また、アジが付けエサをくわえた時のモタレアタリを出すためには、仕掛けを張った状態に保つことが必須となります。
潮流れが適度にある場合は特に意識する必要はありませんが、弛んでいる場合は仕掛けを緩やかに誘い上げるなど、変化を付けるようなテクニックが求められます。
もちろん、コマセの煙幕から外れない程度にです。

向こうアワセでは、釣れないアジがいる
活性の低い時、このモタレアタリで針掛かりさせなければアジが付けエサを離してしまうことがあります。
いわゆる「モタレしかアタリが出ない」という状況です。
この条件では、向こうアワセの釣りの人とモタレアタリを聞きアワセする人の釣果は大きな差となるでしょう。
そして、きっとあなたは向こうアワセの釣り人から「棚は?」と聞かれることでしょう。
なぜなら、向こうアワセの釣りではモタレアタリを意識しないため、棚が違うと思い込んでしまうのです。
ライトアジでは、まず、確かなコマセワークからモタレアタリを取ることを意識しましょう。
棚を意識するのは、その次です。

聞きアワセは意味があってやっている
「意味がない」とまで言われた聞きアワセですが、ちゃんと考えがあってやっているんです。
もし、その船長にお会いする機会があったら、勇気を出して言ってやります。
聞きアワセするのは、格好つけてるんじゃない。アジの上顎に針掛かりさせるためにそうしているんだ!

最後に、その船長の船宿は仕立てや乗合で人気となっており、評判も結構良いことを付け加えておきます。
私はもう行きませんけど。

ライトアジ(LTアジ)で竿頭を目指すための方に参考にしていただきたい「東京湾のライトアジ(LTアジ)で竿頭に近づく方法【前編】【後編】」です。
数釣りを目指す方に少しでも参考になれば幸いです。
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