ダイワカワハギオープン(DKO)とは何か
カワハギ釣り師の頂点を決める全国大会、ダイワカワハギオープン。略してDKO。
全国6会場で行われる1次予選、使用タックルのメーカー縛りがないことなど、誰もが認める日本最大のカワハギ釣り大会といって間違いない。
2015年12月よりカワハギ釣りを始めた私も、いつのころからかDKOの存在を知り、そしてDKOへの憧れが芽生え、それなりに釣れるようになった2017年の冬、来年のDKOに挑戦することを決意したのです。
出場するまでにやったこと
出場するにあたり、せっかくなので目標を設定することにしました。
乗合船で同船したことのある名手達でも、DKOの1次予選で破れている事実を知り愕然としました。想像するに、乗合船の竿頭級が一堂に集まる大会、それがDKOなのではなかろうか・・・。
そこで、私の立てた目標は・・・
1次予選通過
決して低くはない、というより、かなり困難と思われる目標設定を掲げました。
大会までの数ヶ月、何もしないで通過できる程に甘くはないでしょう。目標達成に向けて、私はひっそりと動き始めました。
大会の雰囲気を知る
大会の空気感というものは、実際に出場した人にしか分からないものですが、せめて話くらいは聞いておきたいところ。
私は幸運にも、ファイナル出場経験もあるG社の某テスターさんと一緒にカワハギ釣りをさせていただく機会があり、大会の雰囲気や、望む姿勢を根掘り葉掘り聞くことができました。カワハギ釣りというより、もっと大きな括りで「釣り」に対する姿勢を学べたことで、大会中もメンタルを維持することができたのです。ありがとうございます!田中さん!!
会場となる船宿に通う
DKOの1次予選は、関東では勝山または久比里で行われます。私のホームは腰越でしたので、残念ながらDKOの舞台ではありませんでした。
船長のクセや船宿と港の雰囲気。これは実際に体験しなければ理解できないでしょう。事前に確認すべく、私は久比里の山下丸さんへ勇気を振り絞って向かいました。
山下丸さんといえば、カワハギ釣りの聖地、久比里の人気宿。猛者たちが集い、私のような初心者は白い眼で見られるのではないかと緊張しながら向かいましたが、皆様ご存じの通り、アットホームな素晴らしい船宿さんでした。
そんな山下丸さんに通うこと数回。乗合船の船長「勉船長」にも名前を覚えていただき、釣行した6回中4回(勉船長の船では4回中4回)で竿頭となり、少しの自信を得て1次予選へ挑戦するのでした。
運命のダイワカワハギオープン(DKO)一次予選
釣り座抽選でやってしまう
ダイワカワハギオープン関東大会久比里1次C予選の日。
運命の朝、私は友人のやまちゃんと1次予選の会場である山下丸さん近隣のコインパーキングへ車を止め、会場となる山下丸さんへ向かいました。
会場はすでに人だかりが出来ており、抽選の待機列は駐車場入り口付近まで伸びています。クジを引いた人たちからは「あー!」「うわぁ!!」などと歓声が上がり、否が応でも高まる緊張感。そして、ついに私の番が回ってきました・・・。黒い箱の中をまさぐって握りしめた、運命の釣り座は・・・
D船の7番。
初出場の私でも流石にその意味は分かります。
そうです、カワハギ釣りで最も不利な釣り座といわれる、胴の間ど真ん中を引いてしまったのです。
いよいよ競技開始
「やっぱり肝心な所でツキを持っていない。日頃、仕事をサボって釣りにいっている罰が当たったに違いない」
沈んだ気持ちでD船に乗り込んだ私でしたが、ここでうれしい誤算がありました。
乗り込んだ船が、日頃、乗り合い船で慣れている(しかも乗った全てで竿頭の)勉船長の船だったのです。
「これから釣れなくても楽しく一日過ごせそうだ。全力でやって気持ちよく散ってやろう!!」
乗船前の沈んだ気持ちとは違い、前向きな気持ちで出船することができたのです。
が!しかし、ここでアクシデントが!
2本持ち込んだ竿の内の一本、「極鋭カワハギ AIR 1455 AGS 」のガイドが破損していることを発見してしまっていたのです。
おそらく、車から出す際にどこかにぶつけて破損してしまったのでしょう。
仕方がないので、もう一本持ち込んだ「極鋭カワハギEX AGS ZERO」1本で臨むことになったのです。
「自分を信じて」丹念に拾い釣り
私の座った左舷ですが、ミヨシ側にはダイワの高槻さんとシマノの鈴木孝さん、更にトモ側にはがまかつの山下さんと強烈なメンツです。
これだけ有名人に囲まれれば、いつもなら周りが気になって仕方ないところです。
けれども、その前週に出場した「シマノステファーノグランプリ久比里予選」で、私の座った左舷にチームステファーノメンバーが大挙集結するという悲劇を味わっていたこともあり、さほど怖じ気づくこともなく、自分の釣りに集中することができました。
(ちなみに、ステファーノグランプリでは周りを意識しすぎて前半戦はボロボロでした・・・)
名手達を通過したと思われるカワハギを丹念に誘って掛ける・・・。気の遠くなるような作業ですが、念仏のように「自分の釣り、自分の釣り」と頭の中で唱えながら一日を過ごしました。
そうして競技終了を迎えた13時。私の釣果はわずか10枚でしたが、渋い海だったこともあり、周りの方より釣れてそうな気配がありました。
ですが、無名選手の私。成績表を見せてくれとスタッフの方にお願いすることも出来ず、悶々とした気持ちのまま船宿へと戻りました。
船2位でDKO一次予選突破!
悶々とした気持ちのまま船宿に戻ると、表彰式を準備しているダイワスタッフの方がいらしたので、成績表を見せてもらうことが出来ました。
D船の成績表を眺めると、私の釣果「10枚」の横に記された「2」という文字。ダイワスタッフの方から
「大丈夫、左舷では一番釣ってましたよ!おめでとうございます」
目標としていたDKO一次予選通過を達成した瞬間でした。
信じられない気持ちと、やりきったという充実感で何とも言えない気持ちになりました。
目標としていた、未知の世界、ダイワカワハギオープン二次予選へと駒を進めたのでした!
次回「2018年ダイワカワハギオープン(DKO)を振り返る【後編】」をお楽しみに!!